日本ではイノベーションが生まれにくいと言われている。
様々な理由があると思うが、事実、海外から後れをとっているのは認めざるを得ないのが現状である。
イノベーションと言えば真っ先に頭に思い浮かぶのはアップル社のiPhoneではないだろうか?
iPhoneは、それまでになかった電話、パソコン、音楽プレーヤーの3つの要素を一つにまとめ上げた製品であり、私たちの生活自体を一変させてしまったという意味で、インパクトが大きい。
では、イノベーションとはどのような事なのか?イノベーションの定義とは何なのか?そして、イノベーションを創造するためには何が必要なのか?
今回は、イノベーションを創造するために必要な事を考えて行きたい。
目次
なぜ日本はイノベーションが生まれないのか?
過去の成功体験
日本は、良い意味でも悪い意味でも統制が効き過ぎている会社が多い。
法令順守はもちろんの事だが、非常に秀逸に仕立てられた会社内でのルールが存在する。
そして、働く人たちに求められるのは、そのルールの枠から1ミリもはみ出す事なく淡々と作業し続ける事であり、悪い言い方をすれば組織の歯車として、常に正確かつ長期に渡って動き続ける事なのである。
特に、今現在多くの会社で上位職についている人たちの年代は、40代後半から50代が多いと思うが、いわゆる昭和のモーレツ期を過ごしてきた人たちであり、もともと自分たちが上司に言われたことを、とにもかくにもやり切る事で成功してきたという過去がある。
だからこそ、ルールどおりに例外なく仕事を進める事を強く求め、突飛なアイデアがあったとしても採用しない。
簡単に言えば、過去の成功体験が前例なきものへの抵抗感を強めるのである。
幼少期からの教育
最近の教育現場では変化の兆しも見られるが、私たちが受けて来た教育にもにも問題があるかもしれない。
小学校や中学校では、テストで良い点数を取るための教育がされており、その教育の中では全てにおいて「正解」や優劣がある。
テストで100点が取れなければ、不出来の部分にスポットを当てて各科目を満遍なく底上げする事を指導される。極端なほどにオールマイティさが要求されるのだ。
そして、生徒全員が同じような思考を持ち、同じような行動をすることを奨励して、個性を発揮する異端児は、皆と同じようになるように指導される。
そのような教育を受けて来た私たちは、人と違う行動をすることに躊躇し、不正解を出す事でのマイナス評価を回避するようにプログラミングされているのだ。
そのような教育を受けて来た背景があるからこそ、日本の企業は良い意味でも悪い身でも統制が効き過ぎているのだ、そのような風土がイノベーションを生み出さない原因にあるのではないだろうか。
イノベーションとは?
持続的イノベーション
あなたは、今の会社の仕事のやり方に疑問を感じているだろうか?
もしあるとすれば、それが持続的イノベーションの源泉となる可能性がある。
今の仕事のプロセスの「不」を解消し、より効率よく仕事が回るようにするのも立派なイノベーションである。
つまり、現在が70点の完成度である業務プロセスを80点へと引き上げるのも、イノベーションなのだ。
このようなイノベーションを「持続的イノベーション」と呼ぶ。
実は日本人は、持続的イノベーションについては優秀だと言われている、特に昨今の働き方改革において労働時間の削減はメインテーマであり、それを実現するためには今まで8時間かかっていた仕事を7時間で消化出来るようにしなければならない。
故に、効率化や時短に関しては多くの企業で議論されており、働く側の人たちの意識も高いレベルにあると言っていいだろう。
破壊的イノベーション
実は、日本で問題なのは破壊的イノベーションが生まれないという事だ。
全く新しい市場を創り出してしまうような、そう、冒頭でも紹介したアップルのiPhoneのような革新的商品やサービスが日本では残念ながら出て来ない。
しかし、昔はあったのだ。
代表的なものを挙げてみよう。
- 即席ラーメン
- ウォークマン
- ハイブリッドカー
これらの商品は全く新しい市場を創り出すと共に、爆発的な勢いでマーケットを席巻した。
そして、これらの破壊的イノベーションに共通するのが、元々あった商品よりも性能が劣る事である。
そんなことある訳ないだろ!、と思うだろうが事実なのだ。
即席ラーメンは、当然お店で食べるよりも味は劣る、しかし家でいつでも好きな時にしかも短時間で誰でも調理出来るという新しい価値を付加している。
ウォークマンは、ステレオコンポよりも音質は劣る、しかし外出先でも気軽に音楽を楽しめるのと、ファッション性という新しい価値を付加している。
ハイブリッドカーは、ガソリン車よりも走行性能は劣る、しかし低燃費であると共に環境への配慮という新しい価値を付加したのだ。
つまり、破壊的イノベーションとは元々ある機能+新たな価値を付け加える事で、全く新しい商品としてマーケットを創り出しているのである。
だからこそ、元々存在してた既存商品のライバルとはならないので、性能の劣位は関係ないのだ。
そして、それらのイノベーティブな商品は例外なく模倣される。
このように、持続的イノベーションが70点から80点へと引き上げるのに対して、破壊的イノベーションは0点から10点を創り出す事なのだ。
イノベーションを創造するためには?
意識へと上がる情報を変える
前述したように、日本人の得意分野である持続的イノベーションはこれからも生まれ続けるだろう。
では、破壊的イノベーションを創造するためには何が必要なのだろうか?
答は、潜在意識から顕在意識へと上がる情報を変えることである。
潜在意識から顕在意識へと上がる情報を変えるとはどういう事?、と思われる方が多いと思うので少し説明したいと思う。
潜在意識は毎秒200万ビットの情報を感じている、単位の説明は省略するとして、その200万ビットの情報の中から顕在意識へと上がるのは僅か7±2だけなのだ。
つまり毎秒5ビット~9ビットの情報しか、私たちは感じていないという事になる。
正確に言うと、感じていないが本当は感じているのだ。
例えば、今あなたはこのサイトを読む事に集中していて気付かないかもしれないが、足の裏の感覚に意識を向けると、その感覚を確かに感じる事に気付くだろう、周囲の音に意識を向けると気付かなかった雑音に気付くだろう。
このように潜在意識は、常に膨大な量の情報を収集してくれている、不要な情報はカットしているのだ。
不要なものとしてカットされる情報をストコーマ(盲点)とも呼ぶ。
あなたが何に興味を持ち、何を優先としているかで7±2の情報が決まるのである。
もし、あなたがマイホームを買おうと思っていたら、街のいたるところにある建売一軒家の張り紙に目が行くだろうし、お気に入りの鞄があるとしたら、その鞄を持っている人が沢山いる事に気付くだろう。
しかし、そんな事に興味がない人は同じ街を歩いたとしても、張り紙にも鞄にも気づかずに全く違う情報を拾う事になるだろう。
イノベーションを創造するためには、イノベーションの種になる情報を拾うよう潜在意識をコントロールするしかないのである。
潜在意識をコントロールする方法
もしあなたが、本当にイノベーションを起こしたいと思うのなら、その先にある本当の目的を探す事だ。
本当の目的とは、イノベーションを起こす事によって誰にどのようなベネフィットをもたらしたいのか?という事である。
あなたがどのような仕事をしているかは分からないが、即席ラーメンもウォークマンもハイブリッド車も、全てが今までになかった欲求を創造し、多くの笑顔を創り出してきた。
これらは、イノベーションを追求したわけではなく、顧客の笑顔を追求したから出来た。
結果として売上が上がり会社が成長する。
あなたは、クライアントやカスタマーの笑顔を創り出すために仕事をしてるだろうか?
イノベーションのその先にある目的に本気になれれば、きっとあなたの7±2に上がってくる情報が変わり、今までに気付きもしなかった革新へのヒントに気付く事になるかもしれない。
本気になれれば!がポイントである。
本気になれなければ、残念ながら7±2に変化は起こらない・・
最後に・・
最後にもう一つ「目線」の話しをしたいと思う。
どのような目線が必要なのか?
今ある常識を疑う目線である。
あたり前のように流れていく毎日の仕事、何の疑いもなく日々淡々とこなしている仕事、当たり前だと思っているクライアントやカスタマーが自分たちに求めるものや期待する事。
果たして、それらは本当に真実なのだろうか?
案外、入社したての新人の方が、そういう事には気付くのかもしれない・・
その目線を養ってほしい。
働き方コーチングとは・・
全ての働く人たちが「自分らしく」、「イキイキと」、「楽しく」働くための変革支援メソッドです。
働き方コーチングでは潜在意識を変化させ、欲しい情報をキャッチするためのワークを行っております。
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