部下のモチベーションがアップする3つの叱り方

部下を叱りたいけど、パワハラで訴えられるかもと考えると、思った通りの事を言えない・・

部下を叱っているけど、大抵叱った後は部下のモチベーションが下がったり、場合によっては不貞腐れた態度をとる部下もいる・・

こんな事ってよくありますよね。

特に、ミレニアム世代などは、「褒められて伸びるタイプです!」などと公言したりもする。

確かに褒めらると人は伸びる。

期待に応えようとしてパワーを発揮する事を、心理学ではピグマリオン効果と言う。

しかし、これを読んでいるあなたが、もしリーダーだとするなら、部下のミスや不出来を放置しておくことも出来ないはずだし、放置して褒める事だけしていたらリーダー失格である。

逆もしかりで、放置はしてないが過度に言い過ぎたり、言い過ぎでないにしても言い方に問題があるようでは、言われた方は気分が悪くなり、その後のモチベーションにも、上司部下の人間関係にも影響があるだろう。

では、どうしたら指摘したい事をズバッと叱り、叱った後も部下に気持ちよく仕事に戻ってもらえるだろうか?

今回は叱り方について深めて行きたいと思います。

 

「怒る」と「叱る」の違い

あなたは部下を叱る時、怒っているだろうか?それとも叱っているだろうか?

このふたつは、似て非なるものである。

怒るというのは自分基準

つまり、自分の中にある「イライラ」を解消するために部下に当たり散らしているだけである。

その「イライラ」の原因は、自分が担当するチームの達成が、部下の不出来によって脅かされている事や、それによる会社からの評価が下がるかもしれないという恐れから来ている。

そこには、相手に寄り添う姿勢は微塵もない・・

叱るというのは相手基準

叱るという事は、相手を思っている事が前提である。

部下の未来のため、部下がより良い職業人生を送れるように間違いや誤りを指摘し、その行動や、行動を選択した判断基準を正しい方向へと修正する行為である。

行動や判断基準を修正するには、指摘する内容を部下が腹落ちする必要がある。

そのためには、ただ単に叱るだけではなく、すっと部下の中に入るアプローチでないといけない。

正しい叱り方

では、どのように叱れば部下の腹に落ちるのだろうか?ここでは正しい叱り方の3つのポイントをお伝えしたいと思う。

その1:叱る時のスポットの当て方

ニューロロジカルレベルというものをご存知だろうか?

ニューロロジカルレベルとは、ロバートディルツにより体系化されたNLPのモデルの事である。

※NLPとは日本語で神経言語プログラミングの事で、脳と心の取り扱い説明書と言われる心理学

下の図は、ニューロロジカルレベルに少しだけ手を加えたものである。

ここで何が言いたいかというと、自己認識=アイデンティティが価値観や信念を決定し、価値観や信念が能力を決定する、そして能力によって行動が決まり、行動によって結果が決まる。

つまり、上位概念(自己認識、価値観や信念)によって下位概念(スキル、行動、結果)が決定するという事である。

例えば、あなたが叱られるとしたらどの階層が良いだろうか?

人間性=自己認識、価値観、信念を指摘されるのが良いか?

能力=スキルや技術、知識レベルを指摘されるのが良いか?

行動=行動そのものを指摘されるのが良いか?

結果=結果そのものを指摘されるのが良いか?

如何でしょう?

行動ですよね。

結果と思われる方も多いと思うが、結果はもう出ているので如何ともし難いし、本人もそんなことは百も承知なので、そこをクドクド指摘されても響かない。

その2:未来志向でアプローチ

次に、未来志向のアプローチをお勧めしたい。

多くのリーダーが過去思考である。

部下がやらかした時には決まって、「なんでこうなったんだ!」「原因はなんだ!」というように詰め寄る。

これでは部下もフリーズする・・

その場逃れで取り繕うだけである。

では、未来志向のアプローチとはどのようなものか。

こんな感じである。

「次に良い結果を出すためには、どうしたら良いと思うのか?」「同じミスを繰り返さない為には、何を変えたらよいと思う?」と、未来に向けて部下に考えさせるのだ。

そして、部下から答えが出てきたら、「その方法を選択した理由は何?」と、ここで原因がしっかりと潰されているかを確認すれば良い。

どうだろうか、過去思考と未来志向、もしあなたが叱られるとしたらどっちがお好みだろうか?

その3:サンドウィッチフィードバック

最後にサンドウィッチフィードバックをお伝えしよう。

サンドウィッチフィードバックとは、名前のとおりサンドウィッチ型にフィードバックする事である。

パン⇒良いところ

具⇒指摘箇所

パン⇒良いところ

パン⇒具⇒パンという具合である。

例えば

パン⇒君の顧客に対する謙虚さや、何とか役に立ちたいっていう姿勢は凄く良いよね!

具⇒でも、もう少し計画性を持って効率よく行動する事が出来たら、もっと良くなると思うけど。

パン⇒頑張っている気持ちは伝わって来るからさ!

効率よく行動するためにはどうしたら良いと思う?

と、最後に未来志向の「問」を投げる。

そしてニューロロジカルレベルの、行動レベルを指摘しているところもポイントである。

ついでに言うと、パンの部分は価値観や信念に繋がる事が良い。

「いやいや!不出来な部下の褒めるポイント(パン)なんて見つからないよ~!」という声もあると思うが、そこは見つける訓練をしてほしい。

必ず誰にでも良いポイントはあるはずだ。

最後に・・

如何でしょうか。

今回は、部下のモチベーションが上がる3つの叱り方をお伝えしました。

怒るではなく叱る。

そして、叱り方によって部下のモチベーションに大きな違いが出る事を理解して頂けたかなと思いますが、これを現場で実践するのは、それなりに難易度があるでしょう。

習慣を変化させるのは難しい・・

しかし、あなたの部下がイキイキと働き、結果としてあなたのチームの業績やアウトプットが良くなるのであれば、変化にも耐えられるのではないでしょうか。


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