あなたは他人の悪口を言った事がありますか?
そのように問われれば、殆どの人の答えは「YES」だと思う。もちろん一部の稀有な人たちは悪口など言った事もないという方もいるだろう。
しかし、悪口を言っている自覚すらない人もいるだろう。
自分と異なる考えや、行動をしている人は間違っていると思いこんでいるからだ。
悪口ではなく愚痴だとか、適切な批判などと思っている人も多いと思う。
いずれにしてもネガティブな発言には変わりない。
という事で、今回は敢えて悪口という表現をさせて頂きたい。
そんな悪口だが、酒の席やミーティング、オフィスでの雑談や仕事の帰り道などで、同僚や上司、会社や世の中に対して言う機会も聞く機会が多いのではないだろうか?
それだけ世の中で語られている悪口だが、なぜか悪口を聞くと気分が悪くなる。
そんな風に感じている人も多いのではないだろうか?
私もそう感じる。
現在は職業柄、人や組織の悪口を言う事はないが、会社員時代は悪口を言う事もあったし、聞く事はそれ以上にあった。
聞く方は当然だが、言う方も実は気分が良くなかったりする。
そして悪口を止める事で、得られるものも実は多いのだ。
人は何故悪口を言うのだろうか?そして悪口をやめる事で得られるものとは何なのか?
今回は悪口にスポットを当てたいと思う。
目次
人の行動には目的がある
人の全ての行動には目的や意図がある。
例えば。
さぼっている営業マンも、頑張っている営業マンも目的がある。
どんな?
さぼっている営業マンの目的は何だろうか?
目的は人それぞれであるが、ある人は「楽をしたい」かもしれないし、ある人は「効率的に結果を出したい」と思っているかもしれない。
また、ある人は「時間を楽しく有効に使いたい」と思っているかもしれない。
そこには必ず感情的要素が含まれている。
「楽をしたい」人は、モチベーションが下がっていたり、「効率的に結果を出したい」人は、無駄な努力をしたくないだったり、「時間を楽しく有効に使いたい」人は、仕事自体がつまらなく単純なもので、既に飽きてしまっている可能性もある。
逆もしかりで、頑張っている人にも目的がある。
それは、承認であったり昇進であったり自己成長なのかもしれない。
このように、人の全ての行動には目的があるのと同じく、悪口や愚痴を言う人にも目的があるのだ。
悪口を言う人の目的とは?
では、悪口を言う人の目的とは何なのだろうか?
多くの人は、自己防衛だったり優位的立場をとるために悪口を言う。
一見、ストレス発散と思われる方も少なくはないと思うが、ストレス発散なんかには微塵もならない。
その理由は後述するとして、自己防衛や優位的立場をとりたい気持ちは理解出来るだろうか?
多くの人は、自分が常に正しい立場であり、世の中の正解で在りたいと思っているが、一方でほとんどの人が実は不正解である事にも気付いている。
しかし、それを認める事は非常に勇気がいる。
だからこそ、自分と対立する人のネガティブなところを指摘し、自分を守ることで正しさを主張し、対立者よりも優位性を保ちたいと思うのだ。
さらに、悪口を聞く人を自分側に付かせようとする目的もあるかもしれない。
共闘する仲間を増やしたいのだ。
悪口を共感の糸口に使っているのだ。
ハッキリ言って、聞く方は被害者である(笑)
悪口は百害あって一利なし
前述した通り、悪口はストレス発散にはならない。
何故なら、悪口を言う事でネガティブな出来事を再体験しているからである。
再体験とは?
悪口を言う事で、少なからずともそのシーンが起こった場面を思い浮かべたり、対立者が言った言葉を思い出す。
脳は、現実と空想の区別がつかないという特性を持っているので、ネガティブな場面をイメージする事で、事実上再体験している事になるのだ。
逆の意味で、この脳の特性を利用しているのがイメージトレーニングなどである。
良いイメージを繰り返し頭の中に描く事によって、本番でもイメージ通りのパフォーマンスを発揮する事が出来る。
ポジティブな再体験は有効であるが、ネガティブな再体験は悪感情を強化するだけで、ストレス発散どころか逆にストレスを強めているだけなのだ。
悪口をストップするには?
悪口を止めるには、とにかくまず言わないと意思決定する事である。
なんだ・・そんな事かと感じると思うが、まずは決める事が大事だ。
その上で、友人や同僚などに宣言すると良いだろう。
「もう他人の悪口は言わない!、言ったら指摘してくれ」などと。
口に出した目標は達成しやすい。
そして、様々なポジティブな側面に目を向ける訓練も有効である。
人はデフォルトでは、ネガティブなものに目を向けがちだ。
何故かというと、人類創生の頃から現代までの大半を危険が隣り合わせの環境で、私たちヒトは生き延びて進化してきた。
その過程で、多くの敵から身を守る必要があり、そのために危険を察知する能力が必要不可欠であったのだ。
それがネガティブバイアスだ。
でも、どうだろうか?現代は基本安全だ(そうでない場合もレアケースだがある・・)
なので、必要以上のネガティブバイアスは、現代においては不要となっている。
であれば、ネガティブバイアスはなるべく発動しない方が良い。
意識的にポジティブなものに目を向ける事でネガティブバイアスを弱める訓練になるのだ。
そうする事で、悪口を言うポイントに目を向けない力が強化される。
すると不思議と悪口の数が減って来るのだ。
もちろん、今の自分があるのは、ご先祖様がネガティブバイアスを発動しまくった賜物である事を感謝しなくてはいけない。
悪口をやめると得られるものとは?
さて、悪口をやめたら自分自身はどう変わるのか?
信頼
ひとつ目は信頼である。
悪口ばかり言っていると、人から信頼されない。
あなたが悪口を聞く立場だったら、悪口ばかり言っている人を信用できるだろうか?
しないはずだ。
自分がいない所では、もしかしたら自分の悪口をいっているかもしれないと思うし、マイナスな発言ばかりしている人を信じる事も、尊敬することも出来ないだろう。
逆の人はどうだろうか?
人を褒めるのが上手な人は、対面で会話しているあなたのGOODポイントにも目を向け、良い部分を多くフィードバックしてくれる。
「君のこういうところは優れている」「あなたの強みは〇〇だね」と言われれば悪い気はしない。
このような人には、人が寄って来るのだ。
モチベーション
二つ目はモチベーションだ。
先述したが、悪口は再体験を伴うので、言ってるだけでも相当モチベーションが下がる。
良い部分に目を向けていると、自然と思考がポジティブに寄って来るので、何かをやろうという活力、つまりモチベーションも上がって来るのだ。
これは、仕事に関してだけでなくプライベートでもそうだ。
彼女とデートしている時に、ネガティブな出来事ばかりにスポットをあて、文句ばかりを言っていたらそれだけでデートは台無しだ。
テンションが下がり、デートを楽しもうというモチベーションも上がってこない。
ちなみに、彼女はそれ以上にテンション駄々下がりだろう。
援助
最後の3つ目は援助である。
「良い人」が困っていれば、助けたくはならないだろうか?
そう!助けたくなるのだ。
当たり前すぎる原理原則である。
だから悪口をやめてポジティブな側面に目を向け、相手にGOODなフィードバックをしている人は援助されるのだ。
もちろんケースバイケースである事は否定できないが、少なくとも悪口を言う人に比べたら、困っている時に援助される可能性は段違いであろう。
ある種、返報性の法則が働いているのかもしれない。
だから、悪口を言わない人は言う人に比べて、人生も仕事も数倍楽しんでいる事になる。
最後に・・
そもそも悪口を言うなら、面と向かって言えばいい。
真っ向から議論するために一歩踏み出せばいい。
それが出来ないなら、もはや優位性などないのだ。
学術的にも、悪口を言うことでストレスホルモンである、コルチゾールが分泌される事がわかっている。コルチゾールは免疫力も下げるので体にも悪い。
と、ここまで書いてきたが如何だろうか?
明日からの行動を選択するのは自分自身である。
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