あなたは会社での人間関係で悩んでいますか?
実は、会社を辞める理由の第1位は「人間関係」なのです。
自分と性格が合わない同僚や、苦手な上司との関係構築に悩み、ストレスを抱えながら改善する事を諦めて、環境を変える事を選択する。
これは本人にとっても残念であるし、会社にとっても生産性の低下につながり非常にもったいない事である。
では、どのようにしたら人間関係の悩みから解放されて、自分らしくイキイキと働く事が出来るのだろうか?
今回は「前編」として、人間関係をより良くするための、思考の在り方について考えて行きたいと思う。
※後編はコミュニケーション方法
目次
人間関係の悩みって?
人見知り
転職や部署異動によって働く環境が変わるたびに付きまとうのが、初対面の人とどのように関係構築するのかという問題だ。
環境の変化に関わらず、セールスなどを仕事にしている人にとっては、初対面の人とのコミュニケーションは日常でもあるだろう。
それらのシーンは、「人見知り」の人にとっては苦痛以外の何ものでもないのだ。
では、自分は人見知りであると認識している人はどれくらいいるのだろうか?実は、具体的な数字はないが、日本人には人見知りが多いと言われている。
なので、もしあなたが人見知りで、人見知りはマイノリティな存在だと感じているとしたら、少しだけ安心して欲しい。
人見知りは多数派なのである。
人見知りの人の特徴は、初対面や合って間もない人と緊張して上手に話せない、目を見て話すのが怖い、そもそも何を話して良いのかわからないなど、対人関係における初期のフェーズでつまずく事が多い。
一方で、既に関係構築出来ている人とのコミュニケーションには何の問題もない。
例えば、家族や古くからの友人などと話す時は、緊張や恐怖を感じることなく自分らしくいる事が出来る。
最初が肝心なのだ。
どうしても合わない人がいる
初期フェーズを乗り越え、人間関係が構築されてからも人と人の摩擦は起きる。
初期フェーズでは、皆猫をかぶっているものだ。
それが、関係が深まるにつれてだんだんと本当の自分を出せるようになる、これは非常に良い事なのだが、自分を出す事によって相手との相違点も見えて来る。
相違点とは、考え方や常識であり、価値観や信念に通じるものが多い。
自分との相違点にスポットライトをあて、相手が違う事にイラつくのだ。
そのような一面が見えて来ると、その人全体がダメに見えて来る。
結果として、それはあなたの表情や態度などの見える部分にも現れる。
そして、それに気付いた相手も心を閉ざし、交わる事のない平行線をたどる事になる。
こうなると修復は難しい。
なぜ、人間関係に悩むのか?
人見知りの原因
人見知りの人に限った話ではなく、私たちは「他人からどう見られているか」という事に興味を持つと同時に、恐怖や不安を感じている。
それは、人が誰でも持っている承認欲求からくるものだ。
初対面の人に、良い人に見られたい、良い印象を与えたい、好きになってもらいたいという気持ちは多かれ少なかれ誰もが抱く気持ちだ。
そして承認欲求の裏側にあるのが、「嫌われたらどうしよう」という不安の気持ちである。
初対面の人に対して、ダメな人だと思われたくない、後で悪口を言われたくない、嫌われたくないという想いが強くなる。
人見知りの人は、承認欲求が強すぎるが故に不安の気持ちが大きくなってしまう。
これが原因で、極度の緊張状態になり、嫌われたくないという想いがプレッシャーとなって頭の中を真っ白にするのだ。
結果として、コミュニケーションにおいて不十分となってしまう。
それを繰り返す事で、自分は人見知りで初対面の人とは上手く話せないという不要な思い込みが出来上がってしまう。
合わない人はなぜいるのか?
そもそも人は全ての人が違う。
それぞれの人が、その人特有の個性をもっている。
思考や欲求が全く同じ人間など、この世には存在しないのだ。
以前、あまり挨拶をしない人がいた。その人と話す機会があったので、挨拶をしないことにはどんな理由があるのか聞いてみたことがある。
その人は、幼少のころから両親には挨拶をするよう教育されてきたそうだ、しかし、小学校時代の先生が上から目線の人で、こちらが挨拶をしても、ろくに返す事もしなかったそうだ。
それからは、こちらから挨拶をするのが何となくバカバカしく思えて、挨拶をする事をしなくなったらしい。
頭の中では挨拶は必要だとわかっているが、心が反応しないのだ。
「挨拶が返ってこなかったら自分が損をする」というプログラムが心の中に出来上がってしまったのだ。
私の中では挨拶をする事は常識だ。
しかし、それが常識でない人もいる。
少し極端な例だったかもしれないが、この他者との違いを理解出来ないために人間関係の摩擦は起きる。
同じ人間だからこそ、「きっとこの人は私と同じ」という期待があり、その期待が裏切られる事で憤慨してしまう。
人間関係を良くするためには?(思考の罠を手放す)
人見知りを克服する
まず、人見知りへの対処法だが、3点提案したいと思う。
相手に興味を持つ
人は誰もが自分一人では生きていけない。
自分の人生を振り返ってみてもそうだと思うが、両親や学生時代の恩師、友人や先輩や上司などとの出会いがあり、その人たちがあなたに与えた影響や協力があるからこそ、今のあなたがいるのだろう。
つまり、この目の前にいる初対面の人は、自分に何を与えてくれるのか?この人から自分は何を学ぶ事が出来るのか?もしくは、この人は自分から何を引き出してくれるのか?という、将来起こるであろう「プラスの影響」を考える事で、相手に興味を持つのである。
興味を持つ事が出来れば、自然と相手について知りたくなる。
興味を持ち聴くという事は、評価や判断、良いとか悪いとかではなく、目の前の相手から何を得るのかである。
思い込みを捨てる
先述した通り、人見知りの根幹にあるのは「不安」な気持ちである。
しかし、少し冷静に考えてみよう。
目の前の初対面の人は、そこまであなたを評価しようとしているだろうか?
あなたの事を、どんな人間か見極め、今後付き合いを継続するに足る人物かを判断しようとしているだろうか?
実際にはたいして考えてないだろう。
だから、弱いところをみせてはいけない、ダメな部分を出してはいけないなど考える必要はないのだ。
逆に、初対面で自分のダメなところをさらけ出せる人はどうだろうか?
それは素晴らしい事だと感じるのではないだろうか?
心を開き、オープンな姿勢でいるという事は非常に魅力的である。
評価される、見極められるなどの不要な思い込みは必要ない。あなたらしくいればいいのだ。
相手も同じ
そして、相手も同じ気持ちだという事を感じて欲しい。
目の前にいる初対面の人も、あなたと同じように認められたいと思っているし、嫌われたくないと思っている。
どんなに自身満々で語っていようとも、程度の差はあるが、あなたと同じような欲求や不安を抱えている。
自分だけ肩ひじ張る必要はないのだ。
初対面の人と話をする前の、ほんの一瞬でいい。
深呼吸して、相手も同じだという事を思い出してほしい。
それで、少しは楽になるだろう。
合わない人への対処法
まず「違い」を認める事から
人は多様である、故に人それぞれが全て違うとは先ほど言ったが、まずはそこを認める事だ。
決して他者が持っている自分との違いに共感し、受け入れる必要はない。
違いがある事を認めるのが重要なのだ。
パレートの法則をご存知だろうか?
2:8の法則だ。
例えば会社であれば、業績の8割を作っているのは2割の従業員であり、業績の2割を作っているのが8割の従業員だという事だ。
他にも例えがある、試験などの問題構成も、学びの範囲の2割程度からしか出題されない、裏を返すと8割の学びは試験対策と言う意味では無駄な努力なのだ。
人間関係もこれと同じように、あなたの人生に影響を与えている人や、あなたが一緒にいて居心地の良さを感じるのは、友人や同僚、先輩、上司の中の2割なのだ。
そして、逆も言える。
あなたに、人間関係の悩みをもたらしているのは全体の2割の人たちなのだ。
その2割の人たちは、あなたとは真逆にいると言えるだろう。
あなたが飲食店などで、店員さんには「です」「ます」などの丁寧語を使い、注文するのが当然と考えていたとしたら、その反対に「タメ口」的に上からモノ言うような言葉を使い、注文するのが当然と考えている人もいる。
真逆にいる人たちが2割はいるという事だ。
残りの6割は?いい意味でも悪い意味でも付かず離れずという事だ。
この人たちは、飲食店で店員さんにどんな言葉で注文しようが、どうでもいいんじゃないというフラットな人達である。
つまり、あなたに苦手な人がいるとすれば、それは全体の2割の人で、その人たちとの違いを認める事が出来れば楽になるだろう。
あなたの中での正解に、常に照らし合わせて評価しているからこそ、「違い」を認める事が出来ず、そのズレに対して憤慨するのだ。
評価は必要ない、違いがある事が普通なのだ。
「違い」の意味を考える。
違いがある事を認められたら、次のステップはその違いの意味を考える事である。
違いの意味を考えるとは、自分と違う考えを持っている背景と、その違いへの意味付けである。
先述した、挨拶をしない人の背景には、トラウマにも似た過去があり、自発的な声掛けが出来なくなった背景があった。
それと同じように、「違い」には必ず背景がある。
例えば、上から目線でモノ言う人は、その態度の背景に自己防衛があったりする。
弱いところを隠そう、悟られまいとするがために、相手に対して威圧的になってしまう。
一方で、自分の意見を多くは語らず声も小さい人などは、その態度の背景に不安や恐れがあったりする。
不要な発言をする事で、相手から何かしらの評価が下されることを回避したいのだ。
背景は多くの場合ネガティブな深層心理からくるケースが多い。
背景を考察し「違い」への意味付けをして、「あぁ、この人のこのような態度や言動の背景には、こういう感情や思考があるんだな~」と思えるだけで、自分と同じではない事に対して穏やかになれるだろう。
極端な話ではあるが、その意味付けは合ってようが、合ってまいがどちらでも構わない。
そう思える事が重要なのだ。
最後に
人間関係の摩擦の多くは、相手の「違い」を訂正し自分の常識に引っ張り込もうとする態度や言動に端を発している。
言葉に出さずとも態度に出る。
そして、相手は防御もしくは、攻撃に転じる。
あなたも防御、攻撃に転じる。
まさに負の連鎖である。
この負の連鎖を止めるのに、相手を徹底的に理詰めしてやり込める事が最善だろうか?もしくは、関わる事を止めて逃走する事が最善だろうか?
なぜ、自分の常識に引っ張り込む必要があるのだろうか?
相手に正しく生きて欲しいから?このままでは相手がいつか困る時が来るので、今訂正する事で相手のためになると思っているから?
引っ張り込む態度は、相手基準なのだろうか?
もし、そうなら本気でその態度を示せば良い。
しかし自分の尊厳を保つためや、プライドを守るためだとしたら、それはもはや自己満足でしかない。
あなたがこれから生きていく上で、自分の尊厳やプライドを守るのと、周囲の人たちとの良好な関係を築く事と、どちらの方が優先順位が高いのだろうか?
違いを異質とし、排除する対象と見るのではなく歓迎することは出来ないだろうか?
違いこそが気付きの源泉であり、成長の種になる。
他者の多様性を認め、相手を評価することを止めて、学びに焦点を当てるのは簡単ではないが、もし、あなたが人間関係に悩んでいるのであれば、相手を変えるのではない。自分を変えることで相手が変わるのだ。
まずはあなたからである。
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