営業パーソンにとって、最も気になるのは自分の成績だろう。
そして、世の中の多くの営業パーソンが成績は「どうやったら上がるのか?」という事に、課題感を持っているのではないだろうか?
成績や成果と一言で言っても、会社や業種によって求められる結果は違うだろう。
- 売上
- 粗利益
- 営業利益
- 契約件数
- 受注数
いずれにしても、これらの結果を出すのは簡単な事ではない、ましてや営業という仕事は、結果を出し続けなければならないのだ、「たまたま」や「ラッキー」は残念ながら続かない。
では、どうしたら結果を出し続けられる営業パーソンになれるのか? その秘訣はクライアント企業の「キーパーソン」との関係構築にある、今回はその方法を紐解いていこう。
目次
自分は何者なのか?
さて、いきなり意味不明のタイトルから始まったが、意外とこれが答えられな営業パーソンが多い、あなたはどうだろうか?
自分の価値を明確にする
前述の質問をすると、実に様々な答えが返ってくる。
- 会社の売上を上げるために存在している
- 会社の窓口
- 会社とクライアント企業とのパイプ役
- 商品、サービスの広告宣伝マン
などなど色々だ。
もちろん、この質問に正解はない。
ただし、自分は何者かということについて自分なりの解釈で良いので、必ず持っておいた方が良い、何故なら、自分自身が、営業として何をすれば良いのか迷った時の「道しるべ」となるからである。
私は営業マン時代にはこう思っていた、営業とは「コンサルタント」である、クライアント企業の課題を見つけ出し「不」を解消するために、自社のサービスというリソースを使い、お客さまの笑顔を創り出すコンサルタントであると。
営業の心得
そして、もう一つ営業パーソンにとって大切な事がある、それは常にクライアントやカスタマーなどの顧客を見なければならないという事だ。
顧客を見るとはどういう事か?顧客を見るの反対は会社を見るである、つまり、どちらを優先に考え、行動するのかという事だ。
もちろん、あなたが務めている会社に雇用されて、その会社のミッションで営業として働いているわけだから、会社の期待に応える義務はある、会社の期待とは契約を増やし、売上を伸ばし、マーケットにおけるシェアを拡大する事だが、あまりに会社側に傾倒するのは危険なのだ。
なぜ危険か?
会社側を見過ぎて業績や目標を優先にする事で、それらの達成が全ての正義と勘違いするのだ、勘違いが行き過ぎるとクライアントやカスタマーに商品、サービスの良さを誇張して伝えたり、会社や上司に対して自分の成績をでっち上げたりする。
これは絶対にあるまじき行為である。
しかし、営業パーソンは成績が芳しくなければ、上司の叱責にさらされ、仲間からも厳しい視線が容赦なく飛んでくる厳しい仕事、やらなければという一心から視野が狭くなるのも理解できるが、正攻法でその状況から脱して欲しい。
その上で心得て頂きたいのが、売上や利益、契約数などの会社が求めるものは、全てが顧客からの評価の指数であり、満足度のバロメーターだという事、間違った方法で短期的な利益を追い求め、一時的に売上貢献しても、それは砂の城でありすぐに崩れ去るのだ。
信頼関係を築くには?
誰が担当するかは、クライアントにとって大切である
クライアントが商品、サービスを購買するときに大事にするポイントは以下のとおりだ。
- 価格
- 効果
- 担当者(営業パーソン)
優先順位はクライアントによってそれぞれ違うだろうが、この3点は必ず見られる。
価格や効果が競合他社と同質であれば、最後の決め手になるのは営業パーソンだ、仮に価格で少々負けていても効果が同質であれば、営業パーソンが決めてになる事もある。
そのために、普段からクライアント企業のキーパーソンとの関係を、しっかりと築いておくのは非常に重要なのだ。
心理学を活かした接近法
第一印象
第一印象はご存じのとおり非常に重要である、この手の話でよく引用されるのが「メラビアンの法則」である、「話し手が聞き手に与える影響を形成する要素」は以下のとおり。
- 視覚情報 (Visual) – 見た目・身だしなみ・しぐさ・表情・視線・・・55%
- 聴覚情報 (Vocal) – 声の質(高低)・速さ・大きさ・テンポ・・・38%
- 言語情報 (Verbal) – 話す言葉そのものの意味・・・7%
いかに非言語の部分が、相手に影響を与えているかが良く分かると思う、これを踏まえて次のステップに進みたい。
ラポール
関係構築の入り口となるのが、ラポールという心理学をベースとしたコミュニケーション技術だ、ラポールには以下のものがある。
- アクティブリスニング
- キャリブレーション
- ペーシング
- ミラーリング
- バックトラッキング
ラポールとはフランス語で「橋を架ける」という意味がある、まさにクライアントと関係構築する最初のフェーズである。
アクティブリスニング
アクティブリスニングとは、日本語にすると傾聴のことである、「キク」には以下の3種類がある。
- 聞く・・周囲の音や人の声を聞く、意識的ではなく無意識でキク
- 訊く・・道を尋ねる、情報を引き出すなど、自分が知りたい事をキク
- 聴く・・相手に全神経を集中させて聴く、意識的に注意を向けるキク
傾聴とは、話し手に注意を向け、話している内容の一語一句を聴き逃さずに理解することである、人は相手の話しを聞きながらも、頭の中では全く違う事を考えていることがよくある、雑念は取り払って全神経を相手に話に集中するのだ。
2人一組で話し手と聴き手にわかれ、話し手が1分間話し続ける、聴き手はその話をアクティブリスニングする、これを交互に繰り返す事で、傾聴力を高めるエクササイズになるので機会があれば試して下さい。
キャリブレーション
相手の表情の変化を観察し、感情を読み取る技術である、昔から考えている事は「顔に出る」というが、それを形式知化したものがキャリブレーションだ。
これもエクササイズがあるので試してほしい、同じく2人一組になり見る側と見られる側にわかれる、見られる側は頭の中で「好きな人or嫌いな人」を思い浮かべる、見る側はその表情をキャリブレーションし、好きな人を思う浮かべているのか、嫌いな人を思い浮かべているのか感じ取る、これを交互に行う事で、表情の微妙な変化に気付くようになる。
ペーシング
これは簡単だ、相手の話しのペース(速度やテンポ)に合わせて自分も話をする事である、相手と話のリズムが合うと、心地よく感じる、逆に、リズムが違うと何となく不快な感じを受ける。
エクササイズはないが、コツは相手の話す速度と声のトーン、呼吸を意識する事だ。
ミラーリング
相手の仕草や姿勢を真似ることである、人は自分に似ている人に好意を持つと言われるが、ミラーリングとはそのものを体系化したものだ、但し、大げさにミラーリングすると明らかに不自然になるので、さりげなくを心掛けてほしい、また、相手が腕組みなどした時のミラーリングはNGだ、腕を組むというのは相手を拒絶している心の現れだからである。
バックトラッキング
いわゆるオウム返しのことだ、例えば以下のようなやりとりがバックトラッキングである。
相手「先週の日曜日は家族サービスでディズニーランドに行ってきたんだけど、どのアトラクションもめちゃくちゃ並んでて疲れたよ~」
あなた「そうなんですね、お疲れだったんですね」
という感じである。
バックトラッキングをすることで、話し手に対して「あっ、この人は自分の話をキチンと聴いてくれている」という安心感を与えます。
これを繰り返すと、相手はもっとあなたに話をしたくなります。
最後に・・
如何でしたでしょうか? 関係構築に技術は色々あるが、今回は王道的な方法をご紹介しました。
ラポールは、あなたも恐らく無意識に行っていると思うが、意識的することでよりレベルアップするので是非、実戦で活かしてほしい。
とは言え、前半の部分で紹介した、営業としてのスタンスはもっと大事かもしれない、何故なら、スタンスという土台がしっかりとしたものでないと、持っているスキルは十分に活かされないからだ、なので、「自分が何者なのか」については、ゆっくりと時間をかけてでも良いので、自分なりの答えを探して頂きたい。
次回は、さらに営業スキルを高めるための第2弾をお伝えしたいと思うので、そちらも楽しみにしていて下さい。
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